はいみどりの世界

すてきな記憶を忘れないために

たまこまーけっと(9)(コーヒーカップの謎)

たまこまーけっとでは、喫茶店レコード店の2階)がしばしば登場します。
第3話では、たまこと史織ちゃんが友達になる重要な場面が描かれています。
そのときに使われていたのがこのコーヒーカップです。

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京アニカレンダー(2014年9月、10月)

 

ラクダの絵が描かれたものですが、京都アニメーションのこだわりは、コーヒーカップにも現れると思い、この柄のコーヒーカップをネットで検索してみたら、すぐに見つかったのが、埼玉県寄居町のとある喫茶店で使用されているもの。1月24日に放送されてから、ずっといろんな検索をしてみたのですが、これ以外は結局見つかりませんでした。
自宅のある神奈川県から、埼玉県の寄居町までは、電車で4時間弱かかるので、なかなか行く機会が得られませんでした。お店は不定休との記述があったので、予めお店に電話してGW期間中の5月1日がお店がお休みでないことを確認して行くことにしました。

 

 

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当日、朝7時に家を出て、何度か電車を乗り換えて、池袋から東武東上線に乗ります。小川町から更に乗り換えてようやく終点の1つ手前の玉淀駅(たまよど)に着いたのが、午前11時頃。駅の改札を出ると、なんかすごくのどかな所へやって来たという感じです。

 

 

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目指す喫茶店まで、この目の前の道をまっすぐ10分程度歩きます。車は何台か通りましたが、誰とも出会いません。GW期間中と言えども平日ですから、多少人通りがあってもいいはずなんですが。

 

 

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消防署の横の奥まったところに、お店の看板「自家焙煎珈琲店 洗濯船」の文字が。
お店に入ると、カウンターに1人の客とマスターの2人だけでした。予想していたよりこじんまりしたお店でした。カウンターの向こう側には、たくさんのコーヒーカップが並んでいます。

 

 

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カウンター席に座り、例のカップを探したのですが、見つからず、焦っていたのか色が似ていたコーヒーカップと間違えてしまい、それでコーヒーを淹れてもらうことに。出されたコーヒーカップを近くで見るとラクダもいないし、やっぱり違うなと。もしかしたら、あのコーヒーカップはもうないのではと一瞬思いました。

 

 

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コーヒーを飲んで、落ち着いてもう一度、カウンターの向こうの棚をよく見ると、自分の目の前に例のコーヒーカップを発見しました。マスターに、そのコーヒーカップを見せていただくお願いをし、手元でよく見ると、ネットで見た通りで間違いありません。

 

 

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マスターにこのコーヒーカップがどのようなものかを説明するために、自宅から持って来たポータブルDVDプレーヤーに番組を録画したディスクを掛けて見ていただきました。
マスターは50代後半か60代くらいな方(間違えてたらゴメンナサイ)で、当然、深夜アニメをご覧にはなっていなかったのですが、このコーヒーカップが登場するシーンを興味深げにご覧になっていました。
自分も、実物と見比べながら、色味は違うし、ディテールも違うのですが、ラクダのかたちやデザインはやはりこのカップ(もしくは、類似品)がモデルになっていると確信しました。

 

 

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話中では、2客のコーヒーカップが出てくるのですが、まったく同じもののようです。取ってを右側にした向きの絵柄は、ほぼ同じと思います。若干、上方の部分に雲のようなデザインが話中のカップにはあります。
高台の色は、カップの上方と同じ色になっているのが話中のカップですが、このお店のカップは、高台の部分とカップの下部が同じ色になっています。

 

 

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取手の部分を左側にした向きの絵柄(ネットでは画像が無かった)ですが、これは、大きく違っていました。
話中では、ラクダが2頭しゃがんで向かい合っているのですが、このお店のは、1頭のみで立っていました。
取っての部分の上の方に少し色が付いているのが話中のものですが、お店のは、すべて同じ色になっています。

 

 

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ソーサーですが、話中のものは、カップの上方と同じ色になっていますが、あまりはっきりとはわかりません。
お店のは、カップと同じ柄になっていました。このようなデザインのものは珍しいと思います。
マスターにこのカップはどこで作られたものかと訊ねたら、「有田焼」とのこと。

 

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カップの裏側(高台の中)と、ソーサーの裏側には、同じ銘が入っていました。ソーサーのははっきり読み取れるものでした。「Kiyō 1989」と有りました。

ここからは推測ですが、この話中で使われたコーヒーカップはやはり実在のもので、このお店のものと同じ作者の異なるバージョンのものではないかと思われます。色味が違うのは、画を起こすときに改変したのかもしれませんし、もしかしたら話中のようなより明るい絵柄のものがあるのかもしれません。

 

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お店では食事もできるので、スパゲティ(ナポリタン)を注文し、このラクダのコーヒーカップで食後のコーヒーをいただきました。お店のコーヒーは話中と違って苦くなく、マイルドな味でした。

 

 

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お店をあとにして、昼間の時間帯は30分に1本しかない電車の時刻を気にしながら、途中の和菓子屋さんで柏餅と「すまんじゅう」(酒饅頭のことらしい)を買って帰りました。

 

 

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有田焼であることと銘が判れば、もう少しコーヒーカップの情報が得られるかと思っていたのですが、実はやはりこれ以上のことが判っていません。佐賀県(九州)の有田まで行って調べるかどうか、ちょっと今悩んでいます。(^^;)

(2013年5月1日撮影) 

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(2013年8月10日追記)
この記事の投稿後、ネット上で、同じコーヒーカップをお持ちの方(北海道在住)を発見しました。
ネット上の写真を見る限り、この寄居町の喫茶店のものと全く同じ図柄でした。したがって、一点物ではないということになります。
このことから、やはり、アニメに登場するカップは実際のものとは異なり、ラクダが1頭しか描かれていない面は創作なのではないかと思われます。

※記事中のカレンダーの画像の版権は、京都アニメーション/うさぎ山商店街に有ります。

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