はいみどりの世界

すてきな記憶を忘れないために

たまこまーけっと(11)(コーヒーカップの謎:その3:発見)

波佐見編
2014年4月30日
早朝
これから、九州のとある街へ行くことに。
自宅からタクシー、電車を乗り継いで羽田に到着、博多便に搭乗しました。

 

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2時間弱のフライトでしたが途中雲が厚く、現地の天気が多少心配でした。博多には定刻どおり到着。天気はくもり。地下鉄でJR博多駅へ移動。乗り換え時間の余裕がなく、時計を見ながら、家を出る前にあんパンを食べただけだったので、ホームのKIOSKで軽い朝食になるものを見繕っていたところ、レトロなパッケージのホットドッグを発見。迷わず購入した。

 

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このホットドッグはパッケージだけでなく、中身もレトロで美味しかった。こんな発見ができるときは、これからいいこと有りそうな予感。

 

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予定の10:01発の佐世保行きの特急列車に乗り込むとすぐ発車。
途中、佐賀県に入った辺りで心配されたお天気も薄日が差したりして、天気は大丈夫そうだと思い、車窓を眺めながら1時間半、有田駅に到着。

でも、ここはまだ途中。駅前から10分ほど歩いた乗り場から期間限定の無料直行バスに乗る。

 

 

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県境を越えて約20分、ようやく最初の目的地に到着。

 

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ここは、長崎県東彼杵郡波佐見町の波佐見陶器まつり会場。(観光協会のHPはこちら
波佐見町については、こちらをご覧ください。

 

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例のコーヒーカップの製造元のお店が出店しているのですが、予想以上に大きな会場で、予めネットで入手していたお店の会場配置図と見較べながら、会場内を何度か行き来し、はやる気持ちを抑えながらようやくそれらしいお店を見つけ近付いていきました。
お店の大きさは、6畳間くらいの広さでテント屋根が設置されており、雨が凌げるようになっています。

 

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お店の前面には、セット販売のお買い得品、左右、奥には、バラ品などが多く陳列されていました。

 

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そして、その前面の左手のセット商品の中になぜか、1個だけ異なる色合いの小さな器が。それは紛れもなくあのコーヒーカップと同じ柄のラクダの描かれた小さな湯のみ茶碗。
「あった!」(小さい声で)
でも、1個だけ?しかも何で、全然異なるデザインの器と一緒にセット販売?
疑問を抱きお店の人に訊ねようとその器を手に取り、何気に後ろを振り向くと、

 

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何、このいろんなラクダ柄の商品は...。暫し、絶句。
そこには、例のラクダ柄の大小様々ないろんな種類の陶器が。
湯のみ茶碗、薬味入れ、土瓶風のもの、皿、ガラを入れるような大きな器。さらに、その並べている台の下にあるトレイのなかにも、数多くの器があり、思わず、「なにこれ、いっぱいあるじゃん!」「聞いてないよ~」(思わず、つぶやく)
(すみません、地元神奈川県の言葉です)


今回、この会場(九州)に行くかどうか決めかねていました。実は、10日前に、前回の記事(高崎編)に書きました大和屋さんからの情報の「三喜工房」さんが数年前の陶器まつりに出店されていることをネットで検索して見つけ、そこに記されていたケータイの電話番号にダメ元で架けてみたのでした。

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2014年4月19日
土曜日の午前

自宅から、ケータイの番号に電話を架けてみると、数回の呼び出し音のあと、
「はい、タブチです」
と50代くらいの男性の声。
記載されていた三喜工房の連絡先のお名前は確か田淵さんだったと記憶していたので、
「三喜工房...さんですよね?」
と訊ねると
「はい、そうですが、いまは、もうやってないんですよ」
やっぱり、そうか。判ってはいたけど...
でも、一応訊いてみる。
「あの、数年前の陶器市には出店されてましたよね?」
「はい、今も出店してますよ。陶器市のときだけ出店して、在庫を販売しているんです」
在庫の話が出たので、すかさず、
「お聞きしたいことがあるんです。ラクダの絵が描かれたコーヒーカップお作りになられてましたよね。」
「はい、でも、もうないんですよ、たぶん。」
自信ありげな言い方でした。
「そうなんですか...」
「あ、でも、倉庫行って、ちょっと見て来ましょうか」
何気に気さくな人のように感じた。
「すみません、ぜひお願いします」
一旦、電話を切り、淡い期待を抱きながら20分ほど待つ。
ケータイが鳴り、
「あ、5個ありましたよ、ソーサーは2枚だったけど」
拍子抜けするような言い方。
いや、拍子抜けしたのは自分でした。
ラクダの柄のコーヒーカップは、他には作ってられましたか?」
「いや、ないですね。一応確認のために画像を送りましょうか?」
「ぜひ、お願いします」
そして、なかなか、うまく画像が送られて来ず、何度かやりとりしたあと、
ついにこの画像が

 

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ついに本当に発見です。ここまで本当に長かったあ~。
価格を訊ね、予想より少し高めだったのですが、これでもう在庫が終わりだと考え、全て購入することに。

数日後、「ソーサーもあと3枚ありましたよ。」というメールが届く。
これもすぐ注文しましたが、発送したという連絡がもらえず、やきもきしながら
ひたすら待つだけ。
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2014年4月26日
土曜日の午前
再度電話で確認してみると、前日発送したとのこと。荷物番号トレースではまだ九州に荷物があるみたいでした。
しかし、この日、つまり、たまこラブストーリー映画公開日の晩に図ったように荷物が届く。何か運命を感じる。
筆者は、新宿での映画公開初日の舞台挨拶回を観に行っており、自宅を空けていたのですが、荷物が届いたのは帰宅する少し前だったようでした。
早速、映画の余韻に浸りながら開封すると、メールでの写真どうり、あの寄居町の喫茶店で見たものと同じものが出てくる。そして、更に他の梱包も1つ1つ解いていく。

 

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並べてみて気がついたのは、色も微妙に異なるし、なにより、ラクダの大きさが随分違う。作られた時期によって多少描き方が変わったりしているようだ。

 

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あれ、ソーサーが1枚足りない。
なんども梱包の新聞紙、箱の中を見返したけど見つからない。
勘違いされたのかなあと、翌日連絡すると、ただの入れ忘れとのこと。
やはり、これはもう現地でいろいろ確認してみたいと思い、またどんなところで作られたのかも見たいので、九州なので結構遠いのですが、これはもう行くしかないと決断したのが、出発のわずか3日前。
最初は陶器まつり初日の29日の朝一に現地へ行くつもりで計画を立てていたのですが、実際こうしてコーヒーカップを無事入手できたのと、旅行の準備とかチケットとかの都合で30日に。30日は田淵さんがお店にいらっしゃらないとのことでしたが、お店のお手伝いの方に足りなかったソーサーの件を伝えておいてもらい現地で直接受け取る段取りをしました。
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以下は、田淵さんからの事前情報

色は釉薬の調合の加減などで、微妙に変わってくるとのこと。比較してみると新しい年代のものの方が明るい青の色が出ているようです。

ちなみに、最初の電話でのやり取りのなかで、「コーヒーカップ以外にも同じ柄(デザインモチーフ)のものを作られてましたか?」の質問をさせていただいたら、
「マグカップ、サラダボール、どんぶり、ご飯のお茶碗、湯のみ、…」
次から次と立て板に水のように商品の名前が、しかも、大中小とかサイズもいろいろあったという。
「このコーヒーカップ以外の(ラクダ柄の商品の)在庫はないんですか?」
「ないですねえ」きっぱりと仰られる。
「でも、一応確認していただけますか?」
「はい、もうすぐ陶器まつりなので、在庫の確認をするついでに見てみますね」
このようなやり取りがあったあと、前述のソーサーの3枚発見の報があったのでした。そのあとは、特に何の連絡もなかったので、やはり本当にこれで終わりだったのかなと...
でも、実際は前述の通り!

(2014年4月30日撮影、カップは4月29日撮影)
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  4.中尾山編たまこまーけっと(12)(コーヒーカップの謎:その4:ソーサーを探せ)に続く

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