はいみどりの世界

すてきな記憶を忘れないために

たまこまーけっと(10)(コーヒーカップの謎:その2:新情報入手)

高崎編
2014年4月6日
今日は早起きして、車で埼玉県比企郡小川町へ出掛けることにしました。
目的は、下里分校という小川町内にある廃校の校舎を見に行くためです。
この校舎は桜の似合う風景として写真を趣味にされている方々の撮影ポイントとして有名らしいのですが、自分の目的は、とあるアニメにおいて、この校舎の内外をモデルにしており、また、桜の咲いているシーンがOPに使われていて、桜が満開のこの日にぜひ撮影しておきたいと思ったからです。
当日は雨が午後から激しく降る予報が出ており心配しましたが、午前中の早い時間に現地に着いたら青空となり絶好の撮影日和(びより)となりました。

 

 

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さて、この話題は別の記事に譲るとして、撮影を終えてから、以前からずっと気にしていたたまこマーケットの第3話に出てくるラクダ柄のコーヒーカップがある埼玉県大里郡寄居町の喫茶店に約1年振りに向かいました。なかなかきっかけがないと遠くて来れない場所だったのですが、今日は、前記の目的もあってすぐ近くまで来てたので迷わず行きました。
小川町からは車でわずか20分くらいで到着し、早速お店に。
カウンター席に座り、目の前の棚を見ると

 

 

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有りました。

 

 

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昼食にスパゲッティを注文し、食後に例のカップでコーヒーを。

 

 

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ほぼ1年振りです。
マスターにこのカップ関連で以前に訪れた者であることを言うと、それ(自分のブログ記事のup)以降でも来店してカップを見に来てくれた人はいなかったとのこと。さすがに都会から随分離れた場所なのでそのような方はいらっしゃらなかったようですね。
以前、訪れたときに、カップの由来を伺った訳ですが、有田焼であるということ以外に特に情報がありませんでしたが、ソーサーの銘の部分に書かれていることとか、有田焼ということだけで何とか成るとタカをくくっていました。しかし、その後、散々ネット検索を行いましたが、同じような写真をもう1つ見つけただけで、有力な手がかりを何一つ得ることができませんでした。また、以前に訪れたときに実際に手にして、有田焼のイメージとはちょっと違うと感じて、似ている感じの笠間焼など他の焼きものにも手を拡げて探したのですがそれでも手掛かりを得られませんでした。そこで今回、再度訪問して、マスターに何か追加の情報がないかを訊いてみることにしました。マスター曰く、有田焼であることについては自分の記憶に間違いないとのこと。見た目は有田焼に見えないのですが…と再度訊いてみたのですが、今度は「有田焼のようなもの」というちょっと自信なさげな微妙な言い方をされたのですが、それ以上のことは何もわかりませんでした。そこで、入手先といつ頃入手されたものかを訊ねると、いつ頃かはよく覚えていないけど、おそらく高崎の「大和屋(やまとや)」というコーヒー豆を扱っているお店とのこと。早速ネットでその場で検索してみると群馬県高崎市が本店のお店で全国にチェーン店を展開している会社でした。(会社のHPはこちら
この日は午後から天気が大荒れになるとのことで早めに自宅帰ることにして、1週間後の土曜日に今度は高崎へ電車で行ってみることに。

2014年4月12日
早朝、電車で東京へ向かう。
高崎は上野から電車で約2時間かかります。この日は上野まで自宅から電車で行き、そこから最も早く行ける方法を途中で調べていたら、リゾートやまどりという企画列車(快速扱いだけど、車両は特急のグリーン車かそれ以上)があるということを発見。上野で指定席を入手し、大宮まで移動して乗車。520円でちょっと贅沢な気分を味わうことができました。このようなことがあると、その日は何かいいこと有りそうに思えて来ます。

 

 

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さて、高崎まではゆったりもできたのですが、やはり行き先の大和屋が気になる。所在地は高崎駅から随分離れており、アクセスについてはお店のHPにも書かれていない。基本クルマでの来店なんでしょうね。地方ではよくあるパターンです。
高崎駅に着き、バス乗り場を探したのですがよくわからない。観光案内所でも訊いたのですが、そこで教えてもらって乗ったバスの停留所は、お店から随分離れた場所だったため、そこからGPS頼りに30分たっぷり歩くことになりました。

 

 

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ようやく、HPの写真どおりのお店が見えてきました。中に入ってみると結構広く、全国のいろんな種類のコーヒーカップが所狭しと並べられています。一通り、全ての陳列されているカップを見ましたが、似たような柄、作風のものはありませんでした。
お店の中でベテランらしい店員さんに声を掛けてみることに。
「すみません、こんなコーヒーカップ見たことありますか?」とタブレットに入れた寄居の喫茶店で撮影したカップの画像を見てもらう。
「見たことないですねえ。」その方は別の店員さんに声を掛けてその方にも見てもらうことに。この方はいろいろ詳しそうな方のようでしたが、やはりわからない。
「25年くらい前のものなんですけど…」(前回の記事に書いたように銘には1989の文字が)
「さすがに、当時のものはないと思いますね。店も一度移転してますし。ちょっと待っていて頂けますか?」と言って店の奥へ。
しばらくすると、戻って来られて、
「今日は専務出掛けているので、別の日に訊いてみますね。」
タブレットの画面をその方のガラケーのカメラで撮影して頂き、それをご覧頂くことに。
「何かわかりましたら、連絡いたしますので」
と後日電話を頂くことになり、当日は帰途に付きました。

数日後、電話がありました。
「先日の件ですが、あまりよくわからなかったのですが、...」と前置きされて以下のようなことを
・随分前のものなのでよくわかりませんでしたが、確かに有田焼、正確に言うと波佐見焼というそうです。
波佐見焼は、もう作ってないようです。
・このカップを作られた会社はもうなくて、この後継になる会社が「三喜工房(さんきこうぼう)」というらしいです。
「これ以上のことはわかりませんでした。」
丁寧にお礼を申し述べ、電話を切りました。

波佐見焼は、もう廃れて今はない?
☆三喜工房は後継の会社だけど、前の会社のことがわかるのだろうか?
折角判った情報が不安を煽る材料ばかり。
兎に角この2つのキーワードで検索をおこなってみることに。

まずは、「波佐見焼」から。
検索結果を見て、「えっ、陶器市は毎年やってる!」、しかも今年は56回目。
有田焼で有名な有田の近くの町みたい。全然、廃れてないし。
つぎは画像検索をやってみる。やはりあのカップの絵柄は出て来ない。有田焼の検索をしたときとほとんど差がない。
次に、「三喜工房」での検索。
「三喜工房」のHPがすぐ出てきた。現代調の焼き物が多く見られるけれど、あのラクダの絵のような雰囲気のものは全く存在しない。やはり、何の関係もない会社なんだろうか...。
ダメ元でtwitterでも検索してみると、たった1つだけ検索結果が出てきた。そしてそこには、なんと、銘に書かれていた「kiyo」の文字が含まれているテキストが。
これまでどうしても「kiyo」の文字について調べていて何も見つからなかったのに、ここで「三喜工房」と「kiyo」が初めてつながった。あのカップは「三喜工房」に関わりがあることを確信した。

そこでさらに、「三喜工房」のキーワードだけでより綿密に検索をすると、累計3番目となるあのラクダのカップの画像が出てきた。その画像はまさに、第3話で出てきたコーヒーカップとソーサーそのものでした。ソーサーは、これまで見つけた画像や、寄居町の喫茶店のものとは形が異なっていると思っていたので、ソーサーについては確信が持てなかったのですが、これで全て実在のものであることがようやく判ったのでした。

そして、波佐見焼の陶器まつりの過去の出店に関連する個人ブログ記事をいくつか発見。
そのブログの写真には、コーヒーカップが複数積まれているものや、タンブラーのようなかたちの同じデザインのものが本当に小さく写っているものがありました。
しかし、これらのブログ記事は最新のものでも数年前のもの。いまでもその在庫が残っているかどうかはわからない。
この「三喜工房」の過去の陶器まつりの出店情報には、ケータイの電話番号が…。

(2014年4月6日、12日撮影)
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 (☆大和屋さんからの情報、特に波佐見焼の件については、社内で伝言されているうちに一部内容が欠落してニュアンスが変化してしまったのではないかと思われます。大和屋さんの名誉のためにこのことを付け加えておきます。そしてこの大和屋さんからの情報が大変有益であったことに感謝をしたいと思います)

  3.波佐見編たまこまーけっと(11)(コーヒーカップの謎:その3:発見)に続く

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