はいみどりの世界

すてきな記憶を忘れないために

小梅さんの茶碗(報瀬の家でのお茶のシーン)

冬コミ(C95)では、「小淵沢家のひみつ」という表題で「宇宙よりも遠い場所」の聖地巡礼本を頒布いたしました。この刊行に当たって、2つのことを目標にしていました。

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小淵沢家の湯呑み茶碗

第3話の放送(2018/1/16)で小淵沢報瀬の家のシーンが出て来た時に、この家のモデルと湯呑み茶碗のモデルを見つけて、夏コミの同人誌のメインのネタに据えようと考えました。当然表紙も、当時未発見だった小淵沢家のモデルにしようと考えていました。

しかしながら、夏コミを過ぎても両方とも見つからず、夏コミはこのネタを諦めて「ペンギン饅頭号」のモデルの砕氷艦2代目しらせ(AGB-5003)が表紙になりました。

その後も探索を続けていましたが、冬コミの当落発表が迫った10月末に不思議なきっかけでようやく小淵沢家のモデルが見つかりました。

さらにその後も、もう1つのネタのこの茶碗の探索を続けていましたが、残念ながら冬コミの新刊には間に合いませんでした。

 

<この茶碗の発見の経緯>

冬コミの入稿が終わり、よりもいファンが集まった西荻窪のじんからさんでの忘年会に参加し、その時、参加者の皆さんにめぐっちゃんの好きなストロベリーティーティーバッグをお配りしました。(12月27日)

翌日、このストロベリーティーの感想を道遠(みちとお)さんから、画像付きのツイッターのリプライを頂きました。コミケの出展日(12月29日)の前日でしたが、その画像にあったピンク色のティーカップが気になりました。(*2)

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どこかで見た赤いティーカップ

どこかで見たことがあったような気がして軽くネット検索して見ました。

キーワードは、「赤、ティーカップ」。

画像サムネールモードで、スクロールしていくと、この小さな画像に目が止まる。

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サムネール(実物大)

 丸の周りに沢山の丸、そして、茎みたいな草みたいな。

クリックして、画像を大きくし、さらにその画像の元サイトを表示すると、同じ柄で青い色のものが。

「え、えー?!」

似てる、なんか似てる。

砥部焼(とべやき)の茶碗でした。

同じ柄の湯呑み茶碗をこの砥部焼関連のサイトで検索し、いくつか見つけました。

コミケの前日の夜、もう10時過ぎてました。

この日はコミケの準備もあるので、このくらいで検索をやめました。道遠さんのあの写真の赤いティーカップの検索も後日ということに。

砥部焼を販売しているお店は、年末でお店はもう営業を終わっており、通販でも注文をしても実際の入手は年明けなので、どうするか悩みましたが、とりあえず、通販で何個か湯呑み茶碗を注文しました。

年が明けた1週間後、届いた茶碗を見ました。

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砥部焼の湯呑み茶碗

ちょっと、大きい。でも、雰囲気はある。

早速、お茶を注いでみる。地の白色(白磁)もあって、お茶の黄緑色が映える。

飲んでみる。口当たりもよく、いつものお茶がより美味しく感じます。

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とあるお店で撮影したお茶を注いだ茶碗

翌週の日曜日(2019年1月13日)、前日とはうって変わって、快晴となり、昭和のくらし博物館(報瀬の家のモデル)へ伺いました。そして、お庭に面した離れの部屋(来訪者ノートなどがある場所)で、ペットボトルのお茶を入れたこのお茶碗を置いて撮影。小淵沢家の居間そのものではありませんが、これでひとまずゴールかな。(*1)

 

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報瀬の家の縁側に置いた茶碗

砥部焼の購入ですが扱っているお店が全国にあるようです。通販もあります。「梅山窯」というキーワードで探すと見つかりやすいです。

なお、この特徴的な文様は「太陽紋」というそうです。

この柄を模したものは他の焼き物にもあるそうですが、オリジナルはこの砥部焼のものだそうです。この絵柄の歴史等は現在、調査中です。

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<茶椀は特定された訳ではありません>

当然、この茶碗の絵柄が作中とは随分異なっていると思われる方も多数いらっしゃると想像しています。筆者自身も、これで決まりとは言い切れません。

以下に述べるような探索の経緯と、いくつかの部分が似ているということくらいしか言えないのですが、現時点において、これ以上に似ているものが存在しない(これ以外に似ているものが全く見つかっていない)ので、あくまで現時点では、この砥部焼の茶椀をモチーフにしたのではないかと考えています。

もちろん、全くの創作である可能性も否定できません。

いずれにせよ、公式側からの情報がないと確定的なことは言えないので、あくまで、筆者の思い込みの参考情報であるということをお含みおきください。

 

○似ている部分

1)太陽(花)の形:丸の周りに丸が囲んでいる

2)葉が地面に這うように描かれている

3)全体の雰囲気(構図)が似ている(主観ですが)

○異なる部分

1)花からの茎が描かれている

2)色が違う

3)茶碗の縁の厚みが違う(後述します)

公式からの情報があればスッキリするのですが、元ネタを明かさないこともアニメ特有の抽象化やイメージ重視でデフォルメするためであることも理解しています。

もしも、オリジナルの図柄が存在している場合にはそれをそのまま使うことに躊躇があった可能性もあります。

ということで、まあ、生暖かい目で茶碗を見てあげて頂ければと思います。

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<茶碗探索の足跡>

さて、この茶碗を見つけた経緯は、前述のように全くの偶然でしたが、それまで、1月の放送からほぼ1年、色んなキーワードで検索したり、似たような焼き物の販売サイトを総当たりするなど、本当に様々なことをやってきました。また、デパートの陶器売り場、街の陶器店、河童橋問屋街のお店など、茶碗を探すために、多くのお店巡りも行いました。花柄の茶碗は簡単に見つけられそうだと思っていましたが、少しも似たような茶碗に巡り会うことは全くありませんでした。

 

9月に秋葉原キュアメイドカフェでMAD HOUSEの原画展の展示があり、最終日(9月17日)にようやく行くことが出来ました。そこには、偶然にもこの第3話の報瀬の家のテーブルの茶碗の原画(モノクロ)(写真撮影禁止)があり、キャラの全く描かれていない唯一のこの1枚の原画を食い入るように見ました。この原画は作中よりずっとシンプルな線画で、作中とも微妙に異なるものでした。花の柄の周りの丸が点になっていました。(写真撮影は禁止だったので、スケッチをしました)

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原画展での茶碗のスケッチ(メモ程度です)

この原画を見て感じたのは、作中の作画とは少し異なっており、また余りにシンプルな表現だったので、実在のモデルが存在しないのではないかと、この時点で半ば諦めかけました。

それでもやはり諦め切れず、近所の商店街の食器のお店でも藁をもすがる思いで、茶碗のことを訊くなどすると、店主からお店の発注用の毎年発行されるカタログ(厚さ5cm、900頁以上もある、1頁に30枚の写真。コミケのカタログみたいな本)の前年度版をご好意で頂きました。しかし、そこにも似たものはありませんでした。上記のスケッチのように原画の右側には、角皿のようなものもあり、これも合わせてカタログ中を探してみましたがありませんでした。原画にあったこの角皿のようなものは作中にはなく、白石民子さんの名刺になっていました。

冬コミの原稿を進めなくてはいけない時期でもあり、その後も折を見ては検索をしていましたが見つからず、前述のように年末に至ったのでした。

 

さて、ネット検索でどうしてずっと見つけることが出来なかったのかですが、作中では茶碗の絵柄の色が青っぽい紫であったこと、茶碗の口が当たる部分が薄手であったこと、これらから、有田焼(波佐見焼)、もしくは美濃焼っぽいと思い、それらをキーワードにして重点的に探していました。柄についても、花のように見えたので、花柄などをキーワードにしていました。

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小梅さんが持っている茶碗(クローズアップ)

 今回の発見(=参考情報)を振り返ると、結局、茶碗の縁は薄手ではなく、いわゆる丸茶碗のような厚手のものだったし、花柄だと思っていたのは、太陽をモチーフにしたものだったとか。太陽の下に一本線が引いてあったので、茎だとばかり思っていました。

 

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同じ柄の角皿

この茶碗の太陽の左側にあるのは、草です。その草越しに太陽が見えているという図案なのだそうです。なので、「花」というキーワードでは見つけられません。

最後に、この作中では、茶碗の形が微妙に変化しています。

1つは、最初に上げた、縁が外側に向かって拡がっているもの(反り茶碗という)であり、もう1つは、茶碗の縁がすぼまって(窄まる)いる丸湯呑みと言われるものです。

作中ではシーンによって作画が微妙に変化するので、どちらなんだろうと悩ませられました。

今回、見つけた茶碗には両方の形がありましたので、丸茶碗の方も上げておきます。

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反り茶碗(左)と丸茶碗(右)

キマリが熱い茶碗に触れて手が赤くなっているシーンがありましたが、薄手の茶碗ならこのようになるのでしょうが、この砥部焼の茶碗は総じて厚手なので、このように熱くは感じないかもしれません。ここは、作中のストーリー上のイメージでそうしているのであり、あくまで、この茶碗は絵柄のモデルということでご容赦を。

このシーンを見て、薄手の茶碗ということを意識したので、有田焼や美濃焼を中心に探していたことも見つけられなかった大きな理由です。

絵柄は完全一致している訳ではないですが、小淵沢家の茶碗のモチーフ的にこの茶碗であろうと考えています。作画ではこの茶碗の太陽を花と間違えたのかなとも思います。

もし、この茶碗より似てるものが見つかりましたら、ぜひ、ご一報ください。

この茶碗の窯元の名前は梅山窯(ばいざんがま)といいますが、小梅さんつながりかな。

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うさぎりんごというよりもカニりんご?!

小梅さんのうさぎりんご食べてみたいです。(*3)

 

*1: 昭和のくらし博物館の許可を得て撮影しました。ありがとうございます。

*2:このカップは劇場版ガールズ&パンツァーローズヒップさんが持っていたもののレプリカです。元ネタは、WedgewoodのColonnadeというティーカップです。色はblackとgoldの2種類だけで、このような赤い色のカップは実在しません。随分、探しました(笑)

道遠さんからのこの写真を頂いてなければこの茶碗を見つけられませんでした。本当に感謝です。(もし、違っていたとしてもそれはそれとして嬉しいことでした)

*3: うさぎりんご作ったことがなかったので、やってみました。この画像は事前に参考動画などを見ずに、初めてやってみたものです。思ったよりすごく難しいです。この写真のあと、クックパッドとか色んな動画サイトを見て勉強しました。なんとなく、今はコツがわかった気がしています。

 

参考にした画像の著作権は「宇宙よりも遠い場所」製作委員会 ©️YORIMOI PARTNERSに帰属します。

(2019年1月16日)

(2019年1月18日改訂)