はいみどりの世界

すてきな記憶を忘れないために

映画「君の名は。」舞台探訪(聖地巡礼)(0)聖地巡礼についてのお願い

 

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キービジュアル第2弾が公開され、その場所が新宿区内の須賀神社であることがわかり、その週末に現地を見に行くことにしたのは6月26日のことです。
さらに、あるシーンの場所(シーンのパーツとしてその場所の一部が使われている)を同日にとある住宅街で偶然に発見しました。
しかし、この場所はどう見ても私有地の中で、そこに立ち入らないと作中シーンのパーツを同じアングルで撮影することができないことがわかり、残念に思うと同時に一抹の不安を感じました。
それは、そこが単に私有地であるということだけでなく、そこには道路から1mほど入ったところ(当然私有地内)に清涼飲料水の自動販売機が存在し、誰でもそこに入って購入できるような微妙な位置だったことです。
筆者はここの場所や画像を公開することによって、ここを訪れる方が増えること、さらにこの私有地内へ入る方もあるかもしれないこと、それらによって住民に迷惑がかかることが避けられないと判断し、この場所は自分の中に留めて一切情報は公開しないことに決めました。

しかし、やはりというか予想どおり、その後、この場所を知らせるブログ記事やそこに立ち入って撮影した画像が公開されてしまいました。正確な場所については住宅街ということもあって明記されてはいませんでしたがその場所へ至るヒントが記されていたので、その場所が多くの人に知られてしまうのも時間の問題でした。(*1)

立ち入りや撮影、掲載許可を得ること以前に、情報の公開がどのような影響があるのかは情報を公開する本人の想像に委ねるしかないのですが、やはり住宅街の情報公開は慎重なうえにも慎重な対応が望まれます。今回は公開前から注目作品であったこと、しかもTVアニメではなく劇場用映画であることも特に勘案すべきことだったと思います。

そして2ヶ月後、筆者は映画の封切り日の初回に鑑賞しました。
映画を鑑賞した後は、それまで避けてきた様々なネタバレ記事やツイートなども改めて確認しました。残念ながら、映画公開後ほどなくその場所の発見を容易にしてしまうような追加情報が公開されてしまい、そのような情報をもとに現地を訪れる方が少数ですが存在しているようでした。

こういう状況を見て、筆者はとりあえず、この建物の管理者へこの作品の状況と今後の起こりうる問題を説明しに行きました。
この建物の管理者の方は聖地巡礼の意味をご存知ないだけでなく、アニメを全く見ない方でしたので、説明には大変苦労しました。(*2)

そして、当然のことながら、この管理者の方は「この場所に立ち入ることは許されない」と明言され、さらにその場所に多くの方が訪れ、滞留されると近隣の方々に迷惑がかかり、最悪、通報されてしまうと言われました。この場所は普通の住宅街ではなく、とある方が住まわれている場所に程近いため、近隣の地区での警戒は他の地区に比べて厳しいものであることを聞かされました。
また、その建物の立地上の構造ですが、道路に接している部分が屋上で、そこは簡単なフェンスで囲まれているだけなので、そこに立ち入り、フェンスに近寄るとそこから落下の危険があると何度も何度も繰り返し懸念の言葉を聞かされました。(この建物は4階建てで、屋上から地上まで10mはあります)
このような事情を知らず、自分ひとりくらい、あるいは、今回だけだからとか、自動販売機でドリンク買ったついでとか、自分に都合のよい理由をつけて、私有地(屋上)の奥まで行かれる方がいないとも限りません。
管理者の方に自動販売機についても訊いてみましたが、あの自動販売機は住人の便宜を図るためのものだそうです。

このように管理者への確認の結果も踏まえて、その場所に立ち入る方によって様々なトラブルが起こらないようにすること、そしてこの場所の危険性を知らせて事故を未然に防ぐ必要性を更に強く感じたので、その場所の存在(場所は明記しません)をやむなく明かすことにしました。
本来ならその場所の存在そのものを明かさない方が情報の拡散を防ぐという意味ではよいのですが、残念ながら、この私有地の場所がわかってしまう情報(画像)を(放置も含めて)拡散し続ける方が現在も数は少ないですが存在しているのと、今後も同様な情報が増えることを懸念して、やむなくこの案件に関して、そこを訪れるかもしれない一般の方への注意喚起をすることにしました。(*3)

以下は、ぼかした表現ですが、そこに行かれた、あるいは通りがかったひとにはわかると思います。
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あの自動販売機のある場所の地面がコンクリートの部分(白い部分)は私有地です。
(道路はアスファルトで黒っぽいのですぐわかるはず)
自動販売機はそこに住む住民のためのものとして設置されています。

落下事故の危険があります。絶対にこの場所(屋上)に立ち入ったり、フェンスに触ったり、近寄ったりしないでください。

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参考:私有地との境目の部分と自動販売
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さらに、心ある舞台探訪者・聖地巡礼者へお願いです。
この場所の存在(位置情報、画像)を伝えるのは自粛してください。
この私有地の位置情報を伝えること、位置が簡単にわかってしまうような画像を伝える(発信する)のは自粛して頂ければと思います。(*4)
ツイートでそのような情報を見かけても不用意にRTしないでください。
ツイートなどでこの場所の位置が簡単にわかる情報を見かけた場合はRTしないでスルーしてください。
建物の管理者は、この建物の住民、近隣の方へ迷惑がかかることを懸念しています。

(少し表現を変えました)(*5)

この場所をモチーフにした登場シーンと同様の景色を期待されている方へお伝えしておきます。
この場所からは新宿の高層ビル群はほとんど望めません。
作中の画像は他の場所の画像や創作画像などをいくつか合成して作られたものです。

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聖地巡礼の暗黙のルール
 ○住宅街における物件の情報の公開にはプライバシーに十分配慮し、基本的にその場所がわかるような情報(住所、地図、建物名など)の公開はしない
 ○住宅街においては、騒いだり、滞留したり、ゴミを散らかしたりしないよう特段の注意を払ってください。
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当然のことですが、管理者、所有者など関係者からの写真などの掲載拒否(苦情)の反応に対しては、速やかに当該記事、ツイートの削除などの対応をすることをお願いいたします。
そこに住まいをされている方への配慮が最優先となります。
迷惑がかかると、その聖地が失われることにもなりかねません。聖地を守るために必要なことです。
自分の家がある日突然、聖地になってしまったことを想像していただくと理解できると思います。
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新海誠作品を愛する方は、必ずご理解頂けるものと信じております。
お住まいの方の安寧な生活を維持するためであることはもちろんのこと、
あの場所を現状のまま守るためにも住宅地の舞台の情報公開は自粛していきたいと思います。
何か問題が起きると、あの場所が損なわれることにつながりかねません。
また、問題が起きると今後のアニメ制作に影響を及ぼし、実在の場所をモチーフにするアニメ背景が難しくなり、アニメの作品の現実感、存在感にも影響が出ることを筆者は懸念しています。

住宅街での聖地巡礼(舞台探訪)の暗黙のルールは守りましょう。
(プライバシーへの配慮、住民へ迷惑を掛けない、騒がない、ゴミを放置しない)


よろしくお願いいたします。

参考:須賀神社周辺の聖地巡礼についてはこちら
をお読み下さい。

(*1: この私有地の建物の管理者に確認したところ過去も現在も立ち入りも撮影許可もされていないとのことでした。また、大家さんもこの映画のことは知らなかったとのことです。この件に関しては撮影許可を得た時期、方法、許可を得た相手が実質の管理者だったか、そして、その画像の公開の影響などを相手に正しく伝えていたかどうかが気になります。)
(*2: アニメを全く見ないひとの方が多数である世代(年齢)も存在しているのは事実です。むしろアニメを見る方のほうが少数なのかもしれません)
(*3: あくまで私見ですが、もしどうしても訪れたいと思う方はなるべく単独で通りかかる程度にして頂き、滞留をされないようお願いします。複数人でそこを通るとどうしても話し声が出てしまいます。特に夜間は静粛な住宅街において近隣の方に迷惑がかかってしまいます)
(*4: 地方都市などにおける、地域とタイアップしている場合(観光協会などが主導しているなどの場合)において、その現地の方の許諾が出ている物件は当然この限りではありません)
(*5: 最近発売のとある雑誌にこの私有地の近傍の場所(住宅地:所在地は記されていない)の素材に関する記事が載っていました。しかしながら、その記事の情報とこの私有地に関することは別物です。作中で素材となっている実際の住宅地でのマナーを守って頂くことや、この私有地へは絶対に立ち入らないようにして頂くことは最低限のルールですので、皆様の節度ある行動を重ねてお願いしたいと思います)

追記:多くの方にこの件、ご理解ご協力を頂いております。この私有地の管理人に代わりまして、そして1新海誠ファンとして本当に感謝しております。

追記2:この私有地の建物内に立ち入る方がごくわずかですが、いらっしゃるようです。管理人の方からも自制されるよう強く要請されております。よろしくお願いいたします。

参考2:こちらの記事とこちらの記事は、筆者が聖地巡礼のはしりだと考えているスタジオジブリ作品「耳をすませば」の住宅街に点在する聖地や、「耳丘」のことを調べて記事にしたものです。聖地を特定することや、聖地がその後長い年月を経てどうなっていったのかを考えるヒントになるかと思います。また、現在のようなネットの世界(SNS, ブログ)がまだ非常にプアだったときの情報の入手、伝わり方などと比較することで、今回のような大きなヒット作品の聖地が今後どうなっていくかの想像につながると思います。「耳をすませば」の作品がずっと愛されていることと、聖蹟桜ヶ丘がその聖地として存在していることは素晴らしいことだと思います。

(2016年9月8日作成)
(2016年9月11日加筆)