2019年6月末、家族で3泊4日の北海道旅行へ行きました。
この年、NHKの朝ドラで「なつぞら」が放送されており、日本のアニメの草創期を作った1人のアニメーターの故郷として、帯広など北海道の十勝地方が舞台となり度々登場していました。
4日間の旅行の初日は、午前中に帯広空港に降り立ち、そこでレンタカーを借りて、この「なつぞら」の舞台である帯広周辺の牧場のある雰囲気を感じ、それから、とあるアニメのディスクのジャケットに描かれた上士幌の風景を見て、さらにその近くにある、別のアニメの劇場版に登場した廃墟になっている橋梁の風景を見てから、大雪山の麓の峠を越えて、旭川に移動して初日の宿泊をするというざっくりとした予定で考えていました。
帯広空港に到着して、レンタカーを借りて、運転を始めてから急に陸別町に行ってみたくなり、1時間半くらいで行けそうだったのもあり、帯広の観光はスキップして、少し寄り道をしました。
途中までは高速道路でしたが、そこから一般道をひたすら走り、足寄を過ぎると、「なつぞら」に出て来る牧場の風景が車窓に現れて来ました。
そして、帯広から2時間弱、ようやく陸別町の道の駅に到着しました。
ここは、元々鉄道の駅舎だった場所で、鉄道が廃止された後も、ふるさと銀河線りくべつ鉄道が車両と線路、駅舎などを保存して、今でも駅構内、近隣などを運転できるようにしている施設でした。(*1)
さて、昼食を済ませた後、町内の施設である「銀河の森天文台」へ行ってみることに。
道の駅から10分ほどで到着すると、まだお昼の午後1時50分なのに閉館していました。
入り口の掲示をよく見ると午後2時から開館するとのことで、しばらく待つことに。もっと、早い時間に着いていたら、この先の行程を考えて入館せず、次の目的地へ出発していたと思います。
開館時間は全く調べていなかったので、本当にこの時間に到着したのが何か不思議な縁を感じました。
そして午後2時になって入館できました。館内には低緯度オーロラ(*3)のパネル展示だけでなく、入館するまでは全く知らなかった南極関連の展示物がありました。ミニ極地研のようでした。
夏に立川の極地研の低温室で見た氷床コア(3000mまで掘削している)を取り出すための基礎実験をここ陸別町で行っていたことをこの時初めて知りました。
この施設内には、大学の研究施設や国立の研究機関が設置されており、様々なデータを集めています。
そして、この施設の最大の売り物である天文台向かいます。建物の屋上のドーム内には大きな反射望遠鏡がありました。
施設の方に「今は昼間だから星は見えないですよね?」と訊ねると
「見えますよ」
と予想外の答え。
えっ?!
「でも、今日は曇っているので無理ですけどね」
ちょっと残念でした。でも、昼間でも星を見ることができるというのは知りませんでした。
鎌倉には「星の井」という井戸があって、その中からは昼でも星が見えるという伝説とか、大きな煙突の下からは星が見えるという話は聞いたことがあったのですが、本当に昼間でも見えるということを実際に聞けたのは驚きで、先入観を持たずに物事を捉えることは大事なことだなと思いました。
この日は、星は見れませんでしたが、実際にこの大きな望遠鏡を星の方向へ向けるように動かして頂いたりしました。もし、また機会があったら、この望遠鏡で星を見てみたいと思いました。
さて、時間の余裕もなかったので、次の目的地の上士幌まで移動しました。
上士幌についてはまた別の機会に。
*1 陸別ー分線駅間の1駅の体験乗車、運転体験も2021年4月から可能になる予定
*2「なつぞら」が放送されていた(2019年4月27日(土)~ 9月28日(土))の期間だけの限定ラッピング
*3 低緯度オーロラに関しての記事はこちら
(2019年6月28日撮影)