はいみどりの世界

すてきな記憶を忘れないために

大盛りチャーハンの店について

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海老チャーハン(鼎泰豊)

宇宙よりも遠い場所の第6話でシンガポールが登場し、それに伴いシンガポール巡礼者(舞台探訪者=聖地を特定する人を含む)もネット上で結構見掛けました。でも、キマリ達4人が夕食に食べた大盛りチャーハンのお店については、それらの方の聖地巡礼のブログ記事内に見つけることはできませんでした。筆者も当然、その場所を探索すべく、マリーナベイサンズホテルのウッドデッキまで歩いて行ける範囲を中心にグーグルストリートビュー(GSV)を使って、マリーナベイエリアを探索していましたが、見つかりませんでした。

シンガポールに実際に行って、現地で探せばなんとかなるかなと考えていました。しかし、現地では見つけることが叶いませんでした。帰国後に現地で撮影した沢山の写真を見返していて、たまたま撮影した川下りの船の中からの1枚の写真からこのお店の場所の絞り込みを行うことが出来て、この大盛りチャーハンを食べたお店の特定に至りました。

このお店の名前や発見のくだりについては、拙著「小淵沢家のひみつ」(C95新刊)に記載し、C95の新刊の目玉(キャッチーでセンセーショナルな記事)にしていました。拙著をご購入頂き、その場所へ行かれて実際に大盛りチャーハンを食べられる方がいつ現れるのかなと期待していたのですが、流石にシンガポールはハードルが高いのか、なかなか現れませんでした。

なので、これからシンガポールに行かれる方で、拙著をお読みになられていない方にも、ぜひとも、この大盛りチャーハンのお店へ伺っていただくべく、この店名、場所を公開する記事を書き始めた時、筆者のフォロワーさん(拙著を2冊も購入されていた)が、シンガポールを訪れて、このお店で大盛りチャーハンを注文されたとの報告を頂きました。

なんというタイミングなのでしょうか。少々驚きましたが、拙著が役に立ったのであれば幸いです。実際にお店に訪れてのことについては、この方(Cunさん)のブログ記事(作成中だそうです)をご覧ください。

 

さて、前置きが長くなりましたが、このお店の紹介をします。

お店の名前は、「Tong Fu Ju Sichuan Restaurant」と拙著には英語で記述しました。

漢字だと「同福聚」(Tong Fu Ju)と書きます。Sichuanは、「四川省」の意味です。

このお店の入り口の上に大きく書かれている看板「重庆千品烤魚」が拙著の編集時に2番目の文字の読みが判らず、この文字をどうやってPC上に表示するかが解決できなくて、やむなく、GoogleMap上にあった店名の英語表記のみで記載しました。(以下にこの文字の説明を記しますが、この看板の6文字はお店の名前ではなさそうですね)

(ちなみに、このお店を実際に訪れたフォロワーさん(中国語が得意)に教えて頂いたのですが、この2番目の文字は、「慶」の文字の簡体字だそうです。ということは最初の2文字は、「重慶」(チョンチン)という地名ですね。ちなみに、5番目の文字(火偏に考)ですが、意味は「あぶって焼く」という意味です。)

中国語にのみ存在する漢字(日本語の漢字にはない文字)(看板の画像の中に存在する文字など)は、どうやって検索したら良いか未だにわかりません。最初からテキスト化されていれば、その文字をコピペすることで検索可能になるのですが、画像ではどうにもなりません。ひたすら、中国語の文字の一覧表から探すしかないのでしょうか。今度、中国語ネイティブな方(日本語も理解できる方)に中国語ワープロの使い方も含めて文字検索の方法を訊いて見たいと思います。

さて、お店の場所ですが、拙著を購入された方は、上記の英語の綴りをそのまま、グーグルマップで入力して検索すれば、Boat Quayの辺りの場所が出てきます。

一方、「重庆千品烤魚」をグーグルマップで検索しても重慶市(中国本土)が出てくるだけです。「重庆千品烤魚 シンガポール」とグーグルマップで入力すると、「Tong Fu Ju Sichuan Restaurant」が検索結果として出てきます。

グーグルマップでのこのお店の場所を参考に貼っておきます。

ぜひ、皆様もお店に訪れて、作中の画像をお店の人に見せるなどして、特大チャーハンを作ってもらったりしてください。また、作中のもう1つのメニューの「餡掛けうま煮のような料理」についても、画像を見せるなどして、その料理の名前や試食した感想をお聞かせ頂ければ幸いです。

なお、拙著には記載していますが、このお店の場所からは、作中のテーブル席の背景として見えるマリーナベイサンズホテルの一部が見えません。このお店の場所でのGSVでもお判りになると思います。

筆者は拙著に記載された方法でこのお店の存在すべき場所の当たりをつけた時、その場所にはピンク色のテントに英語の文字が入っているものが店先に存在している中華レストランは存在しなかったので、川沿いをGSVでこの特徴を元に探して、少し離れた場所にこのお店を発見しました。

なお、このお店からの景色はベイサンズホテルがベイエリアの高層ビル群に一部が隠れるなどして、いまいちだったので、「イメージ優先」で少し離れた場所の景色をお店からの眺めとして背景に使ったのだと思います。

 

さて、こうしてお店の場所が確定すると、このお店で大盛りチャーハンを食べたあと、どうやってベイサンズのウッドデッキの場所まで移動したのかが気になります。

地図を見るとわかりますが、ここから、ベイサンズのウッドデッキまでは、徒歩だと30分はかかると思います。

なので、拙著では、MRT(地下鉄)で移動したのではと記載しました。筆者はこのお店からも近いマーライオンからベイサンズまでは地下鉄を使いました。それでも結構歩きます。

実際、地下鉄で移動してみて感じたのですが、満腹の大きなお腹を苦しそうにしてMRTの駅の階段を上り下りしたりして移動する姿を想像してみてもやはり不自然な感じがするので、「イメージ優先」でこのお店はベイサンズのウッドデッキから歩いて10分程度の場所にあることにすると想像すればいいのかなと思います。

前述のように筆者はシンガポールを訪れた時点では、このお店を発見できなかったので、作中のキマリ達の追体験をするために、ウッドデッキの近くの中華料理店でチャーハンを食べてから噴水ショーを見ようと思い、中華料理店を検索すると、ベイサンズのショッピングモール内に有名な中華料理店の「鼎泰豊」(Din Tai Fung)を見つけました。ここでチャーハンや有名な小籠包、そしてその他沢山の料理を注文し、残さず平らげました。結果、作中と同じお腹が苦しい状態で、ウッドデッキまで歩いて移動して、SPECTRA(噴水ショー)を見ることが出来ました。

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SPECTRA(噴水ショー)

皆様もぜひ、お腹いっぱいにしてウッドデッキで噴水ショーをみてくださいね。

ちなみに、そのあと、ドリアンアイスを見つけることが出来なかったので、キマリや報瀬の恐怖の追体験が出来なかったのが筆者の心残りです。(笑)

(2019年3月12日) 

小梅さんの茶碗(報瀬の家でのお茶のシーン)

冬コミ(C95)では、「小淵沢家のひみつ」という表題で「宇宙よりも遠い場所」の聖地巡礼本を頒布いたしました。この刊行に当たって、2つのことを目標にしていました。

第3話の放送(2018/1/16)で小淵沢報瀬の家のシーンが出て来た時に、この家のモデルと出された湯呑み茶碗のモデルを見つけて、夏コミの同人誌のメインのネタに据えようと考えました。当然表紙も、当時未発見だった小淵沢家のモデルにしようと考えていました。

しかしながら、夏コミを過ぎても両方とも見つからず、夏コミはこのネタを諦めて「ペンギン饅頭号」のモデルの砕氷艦2代目しらせ(AGB-5003)が表紙になりました。

その後も探索を続けていましたが、冬コミの当落発表が迫った10月末に不思議なきっかけでようやく小淵沢家のモデルが見つかりました。

さらにその後も、もう1つのネタのこの茶碗の探索を続けていましたが、残念ながら冬コミの新刊には間に合いませんでした。

 

<茶碗の発見の経緯>

冬コミの入稿が終わり、よりもいファンが集まった西荻窪のじんからさんでの忘年会に参加し、その時、参加者の皆さんにめぐっちゃんの好きなストロベリーティーティーバッグをお配りしました。(12月27日)

翌日、このストロベリーティーの感想を道遠(みちとお)さんから、画像付きのツイッターのリプライを頂きました。コミケの出展日(12月29日)の前日でしたが、その画像にあったピンク色のティーカップが気になりました。(*2)

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どこかで見た赤いティーカップ

どこかで見たことがあったような気がして軽くネット検索して見ました。

キーワードは、「赤、ティーカップ」。

画像サムネールモードで、スクロールしていくと、小さな画像に目が止まる。

 丸の周りに沢山の丸、そして、茎みたいな草みたいな。

クリックして、画像を大きくする。さらにその画像の元サイトを表示すると、同じ柄で青い色のものが。

「え、えー?!」

似てる、なんか似てる。

砥部焼(とべやき)の茶碗でした。

同じ柄の湯呑み茶碗をこの砥部焼関連のサイトで検索し、いくつか見つけました。

コミケの前日の夜、もう10時過ぎてました。

この日はコミケの準備もあるので、このくらいで検索をやめました。道遠さんのあの写真の赤いティーカップの検索も後日ということに。

砥部焼を販売しているお店は、年末でお店はもう営業を終わっており、通販でも注文をしても実際の入手は年明けなので、どうするか悩みましたが、とりあえず、通販で何個か湯呑み茶碗を注文しました。

年が明けた1週間後、届いた茶碗を見ました。

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砥部焼の湯呑み茶碗

ちょっと、大きい。でも、雰囲気はある。

早速、お茶を注いでみる。地の白色(白磁)もあって、お茶の黄緑色が映える。

飲んでみる。口当たりもよく、いつものお茶がより美味しく感じます。

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とあるお店で撮影したお茶を注いだ茶碗

翌週の日曜日(2019年1月13日)、前日とはうって変わって快晴となり、昭和のくらし博物館(報瀬の家のモデル)へ伺いました。そして、お庭に面した離れの部屋(来訪者ノートなどがある場所)でペットボトルのお茶を入れたこのお茶碗を置いて撮影。小淵沢家の居間そのものではありませんが、これでひとまずゴールかな。(*1)

 

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報瀬の家の縁側に置いた茶碗

砥部焼の購入ですが扱っているお店が全国にあるようです。通販もあります。「梅山窯」というキーワードで探すと見つかりやすいです。

なお、この特徴的な文様は「太陽紋」というそうです。

この柄を模したものは他の焼き物にもあるそうですが、オリジナルはこの砥部焼のものだそうです。この絵柄の歴史等は現在、調査中です。

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<茶椀は特定された訳ではありません>

当然、この茶碗の絵柄が作中とは随分異なっていると思われる方も多数いらっしゃると想像しています。筆者自身も、これで決まりとは言い切れません。

以下に述べるような探索の経緯と、いくつかの部分が似ているということくらいしか言えないのですが、現時点において、これ以上に似ているものが存在しない(これ以外に似ているものが全く見つかっていない)ので、あくまで現時点では、この砥部焼の茶椀をモチーフにしたのではないかと考えています。

もちろん、全くの創作である可能性も否定できません。

いずれにせよ、公式側からの情報がないと確定的なことは言えないので、あくまで、筆者の思い込みの参考情報であるということをお含みおきください。

 

○似ている部分

1)太陽(花)の形:丸の周りに丸が囲んでいる

2)葉が地面に這うように描かれている

3)全体の雰囲気(構図)が似ている(主観ですが)

○異なる部分

1)花からの茎が描かれている

2)色が違う

3)茶碗の縁の厚みが違う(後述します)

公式からの情報があればスッキリするのですが、元ネタを明かさないこともアニメ特有の抽象化やイメージ重視でデフォルメするためであることも理解しています。

もしも、オリジナルの図柄が存在している場合にはそれをそのまま使うことに躊躇があった可能性もあります。

ということで、まあ、生暖かい目で茶碗を見てあげて頂ければと思います。

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<茶碗探索の足跡>

さて、この茶碗を見つけた経緯は、前述のように全くの偶然でしたが、それまで、1月の放送からほぼ1年、色んなキーワードで検索したり、似たような焼き物の販売サイトを総当たりするなど、本当に様々なことをやってきました。また、デパートの陶器売り場、街の陶器店、河童橋問屋街のお店など、茶碗を探すために、多くのお店巡りも行いました。花柄の茶碗は簡単に見つけられそうだと思っていましたが、少しも似たような茶碗に巡り会うことは全くありませんでした。

 

9月に秋葉原キュアメイドカフェでMAD HOUSEの原画展の展示があり、最終日(9月17日)にようやく行くことが出来ました。そこには、偶然にもこの第3話の報瀬の家のテーブルの茶碗の原画(モノクロ)(写真撮影禁止)があり、キャラの全く描かれていない唯一のこの1枚の原画を食い入るように見ました。この原画は作中よりずっとシンプルな線画で、作中とも微妙に異なるものでした。花の柄の周りの丸が点になっていました。(写真撮影は禁止だったので、スケッチをしました)

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原画展での茶碗のスケッチ(メモ程度です)

この原画を見て感じたのは、作中の作画とは少し異なっており、また余りにシンプルな表現だったので、実在のモデルが存在しないのではないかと、この時点で半ば諦めかけました。

それでもやはり諦め切れず、近所の商店街の食器のお店でも藁をもすがる思いで、茶碗のことを訊くなどすると、店主からお店の発注用の毎年発行されるカタログ(厚さ5cm、900頁以上もある、1頁に30枚の写真。コミケのカタログみたいな本)の前年度版をご好意で頂きました。しかし、そこにも似たものはありませんでした。上記のスケッチのように原画の右側には、角皿のようなものもあり、これも合わせてカタログ中を探してみましたがありませんでした。原画にあったこの角皿のようなものは作中にはなく、白石民子さんの名刺になっていました。

冬コミの原稿を進めなくてはいけない時期でもあり、その後も折を見ては検索をしていましたが見つからず、前述のように年末に至ったのでした。

 

さて、ネット検索でどうしてずっと見つけることが出来なかったのかですが、作中では茶碗の絵柄の色が青っぽい紫であったこと、茶碗の口が当たる部分が薄手であったこと、これらから、有田焼(波佐見焼)、もしくは美濃焼っぽいと思い、それらをキーワードにして重点的に探していました。柄についても、花のように見えたので、花柄などをキーワードにしていました。

 今回の発見(=参考情報)を振り返ると、結局、茶碗の縁は薄手ではなく、いわゆる丸茶碗のような厚手のものだったし、花柄だと思っていたのは、太陽をモチーフにしたものだったとか。太陽の下に一本線が引いてあったので、茎だとばかり思っていました。

 

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同じ柄の角皿

この茶碗の太陽の左側にあるのは、草です。その草越しに太陽が見えているという図案なのだそうです。なので、「花」というキーワードでは見つけられません。

最後に、この作中では、茶碗の形が微妙に変化しています。

1つは、最初に上げた、縁が外側に向かって拡がっているもの(反り茶碗という)であり、もう1つは、茶碗の縁がすぼまって(窄まる)いる丸湯呑みと言われるものです。

作中ではシーンによって作画が微妙に変化するので、どちらなんだろうと悩ませられました。

今回、見つけた茶碗には両方の形がありましたので、丸茶碗の方も上げておきます。

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反り茶碗(左)と丸茶碗(右)

キマリが熱い茶碗に触れて手が赤くなっているシーンがありましたが、薄手の茶碗ならこのようになるのでしょうが、この砥部焼の茶碗は総じて厚手なので、このように熱くは感じないかもしれません。ここは、作中のストーリー上のイメージでそうしているのであり、あくまで、この茶碗は絵柄のモデルということでご容赦を。

このシーンを見て、薄手の茶碗ということを意識したので、有田焼や美濃焼を中心に探していたことも見つけられなかった大きな理由です。

絵柄は完全一致している訳ではないですが、小淵沢家の茶碗のモチーフ的にこの茶碗であろうと考えています。作画ではこの茶碗の太陽を花と間違えたのかなとも思います。

もし、この茶碗より似てるものが見つかりましたら、ぜひ、ご一報ください。

この茶碗の窯元の名前は梅山窯(ばいざんがま)といいますが、小梅さんつながりかな。

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うさぎりんごというよりもカニりんご?!

小梅さんのうさぎりんご食べてみたいです。(*3)

 

*1: 昭和のくらし博物館の許可を得て撮影しました。ありがとうございます。

*2:このカップは劇場版ガールズ&パンツァーローズヒップさんが持っていたもののレプリカです。元ネタは、WedgewoodのColonnadeというティーカップです。色はblackとgoldの2種類だけで、このような赤い色のカップは実在しません。随分、探しました(笑)

道遠さんからのこの写真を頂いてなければこの茶碗を見つけられませんでした。本当に感謝です。(もし、違っていたとしてもそれはそれとして嬉しいことでした)

*3: うさぎりんご作ったことがなかったので、やってみました。この画像は事前に参考動画などを見ずに、初めてやってみたものです。思ったよりすごく難しいです。この写真のあと、クックパッドとか色んな動画サイトを見て勉強しました。なんとなく、今はコツがわかった気がしています。

 

(2019年1月16日)

(2019年1月18日改訂)

 

著作権法32条の「引用」の条件の中の「公正な慣行」の例示がなく、「正当な範囲内」の範囲が明確でないので、引用画像を使うことは自粛しました。

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 第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

 

(2021年1月24日改訂)

コミケ c95 お品書き(2018年冬)(1st info.)

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コミケ(C95)のサークル「やきいも」の新刊紹介です。(12月29日(土) 1日目東J-24b)

1. 小淵沢のひみつ (B5:フルカラー20p) (400円) (新刊:C95) 
小淵沢家のひみつ」 は聖地巡礼・舞台探訪、解説本です。

内容:

前著(ペンギン饅頭号のひみつ : C94)では「宇宙よりも遠い場所(よりもい)」のTVアニメシリーズに登場した群馬県館林市および周辺都市、立川、晴海等、日本の舞台背景のほぼ全てをカバーしています。

今回の新刊では、前回カバー出来なかったシンガポール、多々良西高の内部、そして筆者が最近発見した小淵沢報瀬の家のモデルの建物を掲載しました。

前著同様、所在地の地図や登場した背景の話数リストを掲載、そして、関連施設もカバーしています。

館林のグルメ情報も掲載しました。また、南極料理人のお店も紹介しています。

作中の背景の細かい観察や綿密な調査などによる解説など、濃い目の内容も。

さらに、横須賀を母港とするしらせ5003(2代目しらせ)の一般公開時の砕氷艦内部も掲載しています。また、今年建造80年を迎えた初代観測船の宗谷にも触れています。

 

内容の一部を紹介

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◎よりもい聖地巡礼ガイドブック&解説本として前著と合わせてお奨めいたします。

シンガポール巡礼情報としてもおすすめです)


アニメ「よりもい」の舞台情報を前著と合わせてこの2冊に凝縮しました。

 ☆「公式よりも薄い」けど中身は濃い本を目標に今回、更に頑張りました。

 

既刊:

○ペンギン饅頭号のひみつ(よりもい本)(C94)(400円)

宇宙よりも遠い場所の国内の主な舞台と南極観測船などの解説

○緒明山公園のひみつ(たまゆら本)(C93) (300円) 

ちひろちゃん、ともちゃんの横須賀の舞台(あの約束の滑り台はいま...)

○杵崎屋のひみつ(はいふり本)(C92) (300円) 

:横須賀を舞台にしたアニメ、ハイフリート・スクール(TVシリーズOVA)のすべてを

○ホセア学院のひみつ(無彩限のファントムワールド)(C91)(300円)

:西鎌倉、湘南江の島や京都、奈良まで(湘南江の島駅周辺はいまはもう...)

○新堂写真館のひみつ(境界の彼方)(c89)(500円)

:下北沢に存在する新堂写真館のモデルになったレトロな喫茶店邪宗門」の全てを紹介

も引き続き頒布致しますので、よろしくお願いします。

 

(2018年12月27日更新)

小淵沢報瀬の家モデル発見の経緯(昭和のくらし博物館)

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宇宙よりも遠い場所」の小淵沢報瀬の家は作中に何度か登場していますが、第9話では、報瀬の家の玄関のある側の外観が出て来ます。作画を見た時にこの建物は実在すると感じ、以来、ずっと探して来ましたが、どうしても見つかりませんでした。

館林の茂林寺駅近くの住宅地はもちろん、館林駅西口の正田醤油の正田記念館をはじめ、館林市内のいくつかの記念館、さらには、南極繋がりで、秋田県にかほ市金浦町の白瀬矗(のぶ)記念館の近傍、そして、小淵沢天文台からの連想で、長野県の野辺山天文台のある野辺山、清里、そして小淵沢駅の近くなどにも訪れてみましたが、見つかりませんでした。

 

しかし、遂にその日が訪れたのです。

週末の金曜日から海外旅行(シンガポール)に行く予定だった、そのわずか3日前の10月23日の早朝、自室でいろんな資料を積んだ本、チラシなどの束を移動させている時、抱えた資料の間から、一枚のパンフレットがするりと落ちました。それは、4年半前に訪れていた東京都大田区久が原にある「昭和のくらし博物館」のパンフレットでした。

そのパンフレットが落ちたすぐ脇に、小淵沢家の建物をいつでも確認できるようにと「宇宙よりも遠い場所ー設定資料集ー」の「報瀬の家_外観」のページをコピーしたものが、偶然にも置かれていて、この時、何気にそのコピーとこのパンフレットの写真を見比べて見ました。

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すると、

○玄関(母屋)と門が平行ではないこと(資料集に記載)

○2階の窓、ひさし、およびその窓の下部にある手摺の形

○門の扉の開口部の形状

○玄関の引き戸の下から3段までが四角い格子であること(写真の赤で囲んだ部分)

等々、ディテールが悉く一致しました。

また、設定資料集の同じページには、庭に柿の木があることが記載されていました。

ツイッターで「昭和のくらし博物館」を検索ワードで検索してみると、最近のツイートに、柿の木が写ってるものがありました。

 

この博物館は週末の3日間(金曜、土曜、日曜)だけ開館しているのですが、前述のように週末には日本にいないため、せめて外観だけでも自分の目で確認しておきたいと思い、その日の夕方、日が暮れる直前でしたが現地へ向かいました。

最初に、パンフレットの写真には写っていなかった門の脇の郵便受けと表札のある場所を確かめました。作中のような表札はありませんでしたが、郵便受けの位置、取り付けてある板塀の感じが似ていました。

この日は、開館日ではないこともあり、2階の窓の部分は雨戸が閉まっていたので、ガラス窓の部分を含めた形での外観写真を撮ることができませんでした。

 

そして、翌週の金曜日(11月2日)の開館日の閉館間際の時間にようやく訪れることができました。門をくぐり、左手の庭を見ると、そこにはたわわに実った柿の木がありました。

玄関の扉を開けて中に入ると土間の部分も心なしか作中と似ている気がしました。

室内は特に似ている場所はありませんでしたし、玄関脇に取り付けられているボール型の照明器具の位置は異なっていましたが、やはり建物の外観は報瀬の家に間違いないと感じました。

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この日は、「この世界の片隅に」の特別展(すずさんのおうち展)の初日で、庭には洗濯紐が張られて洗濯物が干されていたり、海苔の簀(す)が展示されてたり、窓には戦時中を模した窓ガラスに飛散防止のためのテープが貼られていたりと、「すずさんの家」を彷彿とさせるような色々な展示がなされていました。

閉館間際であったのと、暗くなって外観撮影も難しい状況だったので、翌日、朝一に再度訪れることにしました。

 

帰宅後、この博物館で購入した建物の資料(小泉家住宅建物調査報告書)にあった間取り図の図面と「宇宙よりも遠い場所ーファンブックー」に記載されている小淵沢家の間取り図とを比較してみました。

すると、玄関に接するいくつかの部屋、階段の位置などが、間取り図上でも一致しました。

このことから、この建物を外観だけでなく、この資料も設定スタッフが入手して参考にしたに違いないと確信しました。

 

翌日(11月3日土曜日)、再び博物館を訪れて、館内も含めて再度、入念に確認をしました。建物内には、小淵沢家に存在しているものなどは特に見つかりませんでした。ただ、建物の縁側からの庭の眺めが作中の雰囲気に似ている感じがしました。(これはあくまで、筆者の印象です)

 

11月2日から開催されている「すずさんのおうち展」ですが、建物内に置かれている「この世界の片隅に」の作中に描かれている茶箪笥(タンス)や針箱などいくつかのものは、館の所蔵物ではなく、片渕監督がこの展示のために貸し出されたものだそうです。

また、作中に描かれた当時の服などの衣装も展示(*1)されており、これらの服や小物も当時のものを再現して作成したり、あるいは実物が置かれてあったりして興味深かったです。

 

館の職員の方に、この建物がアニメ等のモデルに使われたことがあるのかを伺うと、「海街diary」(コミック)で取材を申し込まれたことが以前にあったそうです。館内は基本的に撮影不可なので、この時は館内の撮影許可を得て参考にされていたそうです。(*2)

 

この世界の片隅に」の制作においては、この建物の中の昭和の雰囲気などを参考にするために、監督、スタッフが何度も来館されたとのことです。詳しくは、この特別展の資料等をご覧頂ければと思います。(庭に面した建物の2階の展示室には、「この世界の片隅に」の原画や、今回の展示のために書き起こされたイラストなどが展示されています。こちらも撮影禁止となっています。)

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(写真は展示室内の雰囲気写真(引きの画)のみ許可されてましたので)

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 (受付棟の裏側がグッズ販売コーナーになっており、ここには今回の展示関係の説明などの資料も掲示されていますので、ぜひお立ち寄りください。ここは写真撮影OKでした)

 

この建物の外観については特に撮影許可は不要なので、「宇宙よりも遠い場所」としてこの博物館への撮影許可等の依頼は特になかったそうです。

このように入手した資料のみでの設定、作画の参考にした可能性もありますが、館の所在地は都内で、MADHOUSE本社(中野区)からも近いので、スタッフの方が訪れていたかもしれません。柿の木のことや、玄関と門が平行ではないなどの設定資料集の記述からはその可能性を感じます。

 

なお、作画には存在している切妻部分の小屋束(こやづか)(*3)は見えていません。この部分は意図的に改変したのだと思います。この部分の違いで、筆者は随分、いろんな場所を探すことになったということを付け加えておきます。

 

小淵沢家を見つけるまでの長い長い9ヶ月でした。

最後に、第9話の南極に降り立った時の報瀬の台詞を借りて今の気持ちを叫びたいです。

「ざまーみろー!、『報瀬の家』が存在したぞー!!!」(*4)

 

応援してくれた皆様、本当にありがとうございます。

コミケC95では、この小淵沢家を表紙に据えた「よりもい巡礼本」(続編)を出します。内容については改めて告知させていただきます。

 

*「小淵沢家のひみつ」(よりもい巡礼本)の紹介は、こちら

なお、現在、終売となっています。内容は、「新ペンギン饅頭号のひみつ」(よりもい巡礼本)に全て引き継がれておりますので、そちらをご覧下さい。

 

 

この「昭和のくらし博物館」は、小泉スズさんのご家族が実際に住まわれた建物で、大事な思い出がいっぱい詰まった場所です。ぜひ皆様にも、ご来館され、戦後の暖かい昭和(昭和30年代頃)の生活感を感じて頂けたらと思います。(*5)

(館内は全て「撮影禁止」になっていますのでよろしくお願いいたします)

*1:さやぶ〜さんのご協力で展示

*2:香田家のモデルになっています

*3:屋根を支える縦の柱

*4:静かに館を訪れて下さいね。決して叫んじゃだめですよ。(心の中で、ね)

*5:特別展のために現在、一部の窓には戦時中を模したガラス飛散防止用のテープが格子状に貼られています。この建物は戦後(昭和26年)に建てられたものなので、あくまで、今回の展示のためであるということです。(テープがよく見かけるX型ではなく、格子状に貼られているのは片渕監督のこだわりだそうです)

(2018年11月3日撮影)

(2018年11月8日修正)

(2022年8月11日修正)

 

 

コミケ c94 お品書き(2018年夏)(2nd info.)

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コミケ(C94)のサークル「やきいも」の新刊紹介です。(8月11日(土) 2日目東G-20b)

1. ペンギン饅頭号のひみつ (B5:フルカラー20p) (400円) (新刊:C94) 
「ペンギン饅頭号のひみつ」 は聖地巡礼・舞台探訪、解説本です。

内容:

宇宙よりも遠い場所(よりもい)」のTVアニメシリーズに登場した群馬県館林市および周辺都市、立川、晴海等、東京都の舞台背景の全てをカバーしています。

所在地の地図や登場した背景の話数リストを掲載、そして、関連施設もカバーしています。

館林のグルメ情報(熱心な地元のファンのお店を中心に)も掲載しました。

作中の背景の細かい観察や綿密な調査などによる深い解説など、濃い目の内容も。

そして、船橋に繋留されているSHIRASE5002(初代しらせ)や、横須賀を母港とするしらせ5003(2代目しらせ)、さらに、ふじ5001、宗谷の各歴代の南極観測船の情報も掲載しています。(先日(8月4日)の横須賀でのサマーフェスタ2018のしらせ5003の取材による最新の写真も掲載)

 

内容の一部を紹介

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◎よりもい聖地巡礼ガイドブック&解説本としてお奨めいたします。


アニメ「よりもい」の主要な舞台情報をこの1冊に。

「公式よりも薄い」けど中身は濃い本を目標に頑張りました。

 

既刊:

○緒明山公園のひみつ(たまゆら本)(C93) (300円) 

ちひろちゃん、ともちゃんの横須賀の舞台(あの約束の滑り台はいま...)

○杵崎屋のひみつ(はいふり本)(C92) (300円) 

:横須賀を舞台にしたアニメ、ハイフリート・スクールのすべてを

○ホセア学院のひみつ(無彩限のファントム・ワールド)(C91)(300円)

:西鎌倉、湘南江の島や京都、奈良まで(湘南江の島駅周辺はいまはもう...)

も引き続き頒布致しますので、よろしくお願いします。

 

(2018年8月10日更新)

コミケ c94 お品書き(2018年夏)(1st info.)

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コミケ(C94)のサークル「やきいも」の新刊紹介です。(8月11日(土) 2日目東G-20b)

1. ペンギン饅頭号のひみつ (B5:フルカラー20p) (400円) (新刊:C94) 
「ペンギン饅頭号のひみつ」 は聖地巡礼・舞台探訪、解説本です。

内容:

宇宙よりも遠い場所(よりもい)」のTVアニメシリーズに登場した群馬県館林市および周辺都市、立川、晴海等、東京都の舞台背景の全てをカバーしています。

所在地の地図や登場した背景の話数リストを掲載、そして、関連施設もカバーしています。

館林のグルメ情報(熱心な地元のファンのお店を中心に)も掲載しました。

作中の背景の細かい観察や綿密な調査などによる深い解説など、濃い目のカルピス内容も。

そして、船橋に繋留されているSHIRASE5002(初代しらせ)や、横須賀を母港とするしらせ5003(2代目しらせ)、さらに、ふじ5001、宗谷の各歴代の南極観測船の情報も掲載しています。(先日(8月4日)の横須賀でのサマーフェスタ2018で、しらせ5003の取材で入手した「あの写真」も今回掲載することが出来ました。)

 

◎よりもい聖地巡礼ガイドブック&解説本としてお勧めいたします。


アニメ「よりもい」の主要な舞台情報をこの1冊に。

「公式よりも薄い」けど中身は濃い本を目標に頑張りました。

 

(呉、乗鞍、札幌、シンガポール、オーストラリア、そして南極の現地取材は未定です。遠い場所ですよ、ね)

 

既刊:

緒明山公園のひみつ(たまゆら本)(C93) (300円) :横須賀の舞台

杵崎屋のひみつ(はいふり本)(C92) (300円) :横須賀アニメ

も引き続き頒布致しますので、よろしくお願いします。

 

(2018年8月6日更新)

 

コミケ c93 おしながき(2017年冬)(再録、追加情報)

コミケ(C93)のサークル「やきいも」のお品書きです。(12月30日(火) 2日目東D-59a)

1. 緒明山公園のひみつ (B5:フルカラー16p) (300円) (新刊:C93) 
「緒明山公園のひみつ」 は、「たまゆら」のTVアニメシリーズ、OVA、そして劇場版に登場した横須賀、および横浜、渋谷に点在する関東の舞台背景、作中写真の全てをカバーしています。所在地の地図、登場した背景の解説、関連施設やグルメ情報、小ネタも。
アニメ「たまゆら」の関東地域の全ての情報をこの1冊に。もちろん、いつもの背景へのこだわりも。

◎横須賀たまゆら聖地巡礼ガイドブックとしてぜひお勧めいたします。

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拙著の題名の緒明山公園(おあきやま)は、たまゆらの始まりの街、横須賀の市立図書館の前に存在する公園です。

この場所でのふうにょんとちひろちゃんの中学生時代のやり取りがあり、そして、劇場版たまゆら卒業写真での新たな出発の場所としてとても大切な場所で、あの滑り台がありました。

この滑り台は、設置から20年が経過し、土台の木の部分の劣化が進み、このまま放置するのは危険なため、昨年(2017年)の夏、一旦撤去されることになりました。

本書では、この滑り台の在りし日の写真を多く掲載しました。

現在、この場所は更地になっていますが、逐時、情報を上げていきたいと思います。

緒明山の読みですが、緒明菊三郎さんの苗字から「おあきやま」と呼ばれています。

緒明の苗字の読みは、いくつかの文献等には、「おあけ」と記載しているものもありますが、筆者のその後の調査により、「おあき」と呼ぶのが正しいことが裏付けられました。

この調査の内容の詳細は別記事で述べます。

 

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(2017年6月4日撮影)

(2017年7月15日初出)

(2020年5月10日訂正&加筆)