はいみどりの世界

すてきな記憶を忘れないために

たまこまーけっと(7)(錦湯編)

今回は、たまこまーけっとで商店街の寄り合いの場所として、あるいは、もち蔵やたまこが訪れる銭湯の錦湯です。作品中では、商店街の西側の出口から寺町通を北方向へ50mくらいの場所という設定ですが、モデルになっている錦湯は、京都の四条の大丸の近くの生鮮食料品のお店が並ぶ錦小路のそばにあります。

 

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これは、午後4時頃の営業開始直後のものです。
昭和2年に開業されており、歴史を感じさせられます。
この写真の暖簾(のれん)には、男湯とか女湯とかの文字は一切有りません。

 

 

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<初めての入浴:1月12日(土)午後9時>
この日は、この写真のように何も書いてない暖簾が下がっており、扉にも何も書いてなさそうで、開けるのを一瞬躊躇したのですが、確か右側が男湯だったとの微かな記憶に基づき、暖簾を捲り、えいっと扉を開けようと思ったその瞬間、目の前に小さな「男湯」の張り紙がありました。
拍子抜けして、そのまま、ガラガラっと扉を開けて入りました。番台で410円を払い中へ上がります。下駄箱に履物は特にしまわず、隅に置きました。
この日は、結構、混んでいたようでした。衣類をかごに入れて床に置いている人も多いようでしたが、貴重品などがあったので、ロッカーに仕舞おうと思い、木の扉を開けると柳行李(やなぎごうり)のかごがありました。これを取り出して、衣類を入れ、再度ロッカーの中へ戻して、鍵を掛けました。ほとんどの人はロッカーに入れても鍵までは掛けていないようでした。
さて、シャンプーと液体石けんとタオルを持って、浴室に入ると、そこはさらに混んでいて、カランが埋まっていたので、少し暖まって待っていようと思い、掛け湯をするための桶をと思ったら、桶(ケロリン桶)も出払っていて、立ち尽くしてしまいました。
そんな自分の姿が目に入ったのか、浴槽の前に寄りかかっていた方が、「桶ないの?」(京都弁だったと思いますが、正確になんて言われたのかうまく再現できません、ゴメンナサイ)とか言いながら、浴室内を探してくれ、脱衣所まで行って、適当な桶を持ってきてくれました。なんて、優しい方なんでしょう。感激してしまいました。その桶を渡されたときに、ちょうど1個ケロリン桶が空いたので、それを確保して、お礼を言って、先ほどの桶を脱衣所の元の場所に戻して、ようやく、掛け湯が出来たので、浴槽に浸かることができました。ここで、どの浴槽に入るのがよいかを考えましたが、とりあえず、一番広そうな左奥の浴槽に入りました。
この浴槽は結構熱くて推定42~43度くらいはあったと思います。すでに浸かっていらしたおじいさんに「水入れてもいいよ」(すみません、京都弁でなんて言われたか正確に覚えていません)って言われたんですが、水で埋めるのは、他の人に悪いと思い、「大丈夫ですよ」とか言ってたんですが。
この浴槽と左手前の風呂はつながっていて、そこから流れ込むお湯がさらに一層熱く、結構ガマンのしどころでした。洗い場が少し空いたところで、身体を洗い、そして再び、同じ浴槽に浸かりました。小学生くらいの子どもが最初は一番右側の浴槽に浸かっていたのですが、こちらの風呂に移動してきました。周りの人が「ここは結構熱いよ」とか言ってましたが、彼らも水で埋めたりせず、ちゃんと入ってました。
ちなみに、左手前の湯船には、入る人はいません。最初に桶を探してくれた人が、1度入ってまた、浴槽によりかかって休んでました。その人が言うには、「ここは、45度はあるんだよね。」(しつこいですけど、京都弁です)
浴室から出るときに、再度、お礼を言って、脱衣所に向かい着替えて、宿泊していたホテルまで戻りました。
ちなみに、ホテルは山科駅の駅前と結構遠くでしたので、地下鉄を2本乗り継いで40分ほどかかりましたが、ずっと地下だったので、1月だったのに、湯冷めもせず宿に戻れました。

<2回目の入浴:3月28日(木)午後8時>
この日は三条河原町に宿泊していたので、連れの者と四条河原町まで歩いて、阪急電車に乗り、1駅で降りましたが、降り口のすぐそばが錦湯だったので、あっと言う間に着いたという印象でした。
この日は、花王のマークの入った男湯、女湯の表示のある暖簾でした。
2度目なので躊躇なく右側の扉を開け、410円を払って上がります。この日は他に客が2人しかおらず、ちょっと拍子抜けしました。衣類を脱いで、浴室に入り、掛け湯をしたあと、前回は入ることのできなかった他の浴槽にも入ることにしました。まずは、一番温度が低いはずの右側の浴槽に入りましたが、推定41度くらいでちょうどよい感じでした。この浴槽は気泡が出るものです。連れのものが隣の浴槽に入りましたが、なぜか妙な反応を示すので、「どうしたの」と声を掛けながら彼に触ると、ビリビリした感覚が彼から伝わってきました。以前、関西の風呂には、電気風呂というものがあるということをネットで見たことがあるのを思い出し、そのビリビリした感覚が気持ち悪くて、慌てて出ました。そして、前回も入った左奥の浴槽へ入りました。この日はさほど熱くなく、41度~42度くらいだったと思います。隣の風呂からも熱いお湯が流れてこないようでした。最後に、左手前のすごく熱いはずの浴槽に挑戦してみましたが、普通に入れてしまいました。おそらく42度くらいだったと思います。

 

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帰りは、行きと同じように阪急電車四条河原町まで行き、そこから高瀬川沿いに夜桜を見ながら、つい先ほどの電気風呂の恐怖を思い出しながら歩いて帰りました。
というわけで、電気風呂を初めて体験したのですが、こればかりは、「アカン!」です。
京都は本当に好きなんですが、電気風呂だけは本当にご勘弁を。

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(2013年1月12日撮影)

錦湯については、こちらのページが詳しいです。