校舎入口外観
映画「聲の形」が封切られた週の週末には見に行くことができなくて、週明けの水曜日にようやく観ることができました。筆者は原作も全く読んでおらず、観賞前における作品の内容の情報は唯一映画館で流れた予告編だけであり、本作品の観賞までは、いろんなところから流れてくるネタバレにも細心の気を遣い関連情報を一切入れないように気を付けていました。そのようにするのは、先入観なしに作品を観賞したいためなんですが、最近はどうしてもSNSという存在のために困難になっていることは事実です。封切り後のしばらくの期間だけSNSを使わないという訳にもいかないのでなかなか難しい問題です。
映画は、題材から考えて、ストーリー展開が重いのかなと少し気にしていましたが、自分にとっては思いのほかそうでもなかったので、少しほっとしました。これも、山田尚子監督の為せる技かなと感心しました。
以下の記事内容についてです。駒込学園での撮影カットにおいては、作中のカットの説明は現時点ではしませんので、ネタバレは含まないつもりですが、画像そのものがネタバレと思う方など気にされる方は観賞される前は見ない方がよいかもしれません。
その後に続く舞台挨拶"ミニミニ"レポートにおける内容においては、ネタバレ(テキスト)が一部ありますので、未見の方は、この舞台挨拶レポートの部分は、必ず作品を観賞してからお読み頂ければと思います。(原作をすでにお読みの方はその限りではないのかもしれません。筆者は原作にどのように書かれているかは知りませんので。原作に関してはそのうち読むつもりです。)
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(1)駒込学園
作中で石田将也が通っている高校の実在モデルです。京都アニメーションが作品を作る場合の多くは、地元の関西(特に京都周辺)の実在背景を使うのがほとんどなのですが、この駒込学園は、原作のコミックにおいてモデルとして使われていたので、今回、映画化(アニメ化)されたときも原作に準拠したのだと思います。
映画のエンドロール、パンフレットにも、駒込学園(”駒込中学高等学校”と記されている)の名前が登場していました。
学校名のプレート
筆者は、この作中での高校のモデルであることを知ったのは、twitterで、駒込学園の文化祭の宣伝をされている生徒さんが複数存在し、その中には自分達の高校が作中のモデルになっていることをつぶやかれている方がこれも複数存在していたことによります。生徒さんは自分達の学校名を駒込高校と呼んでいました。これが通称なのだと思います。
頂いた文化祭(玉蘭祭:「はくれんさい」と読む)のパンフレット
筆者は文化祭の見学も兼ねて行くことにしました。
アニメ等に登場する学校モデルの多くはこのような私立であることが多いようです。
校内の撮影が可能かどうかを入場時に確認し、さらに、撮影した画像をブログ記事等に載せてもよいかを学校の責任者に確認をいたしました。
その際に告げられたのは、生徒さんのプライバシー(顔などが写らないようにする)に配慮することをお願いしたいということでした。また、身元を明らかにするため筆者は実名と連絡先の入った名刺もお渡しいたしました。これは、記事に対するなんらかの連絡が必要な場合に対応するためです。
今回の記事化においての画像は、学校内の教室等、作中に登場した景色、背景の確認を主眼としており、カット合わせなどを目的とはしておりません。
また、このような記事を作成するための撮影が、この文化祭の行われた2日間のみ可能であることも勘案しました。それは公式サイド以外からの校内の画像の公開に対して、同様に学校内の見学を求める方が後に続く可能性が否めないので、それが可能なのは年に一度のチャンス、すなわち文化祭が行われるときだけであるということを周知しておきたかったこともあります。筆者は、文化祭の1日目の土曜日に見学、撮影などをおこない、翌日(この日は晴天だった)の朝にその文化祭の開催情報をツイートで流しました。筆者のツイートを含め、生徒さんのツイートなどを検索などで発見された方、あるいは、パンフレット、エンドロール、さらには原作など関連する情報をすでに知っていた方においては、筆者同様これらの日に高校を訪問された方もいらっしゃるのではないかと思います。
一般に、学校は普段は非公開であり、内部を見ることができるのは、このような文化祭などごく一部の行事のときだけであることをご理解、ご了解いただければと思います。
先の筆者のツイートにおいても単に聖地として興味本位で訪れるだけでなく、生徒さんの文化祭に向けて準備した展示をしっかり見ていただくことを併せてお願いいたしました。
この文化祭に行って校舎内外を見ることは、作品のより深いところでの理解、観賞の助けになると考えました。もちろん、本来の姿である文化祭の見学、すなわち高校生(中学生)の皆さんの展示されているものを見るということはこの文化祭の一般公開の元来の意義であることは言うまでもありません。
このような堅苦しいことを抜きに、筆者は文化祭の展示を見るのが好きです。
なお、まだ作品が公開されてから10日余りしか経っていないので、上記のように現時点ではカットの説明はいたしません。
筆者は訪問する前にはたった1度しか観賞できていなかったので、撮影時には高校の登場シーンをほとんど覚えておりませんでした。そのような事情もあって、カット合わせが困難であったというのが正直なところです。
では、撮影画像です。淡々と貼っていきます。
学校の正門前(文化祭のゲート)
グラウンドの近くのベンチとゴミ箱
反対側からグラウンド方向を望む
ゴミ箱
このゴミ箱は作中では、2つのベンチに挟まれるかたちで配置されていました。
続いて校舎内です。
フロアの見取り図
壁の色が緑色なのは、この4Fでした。
おそらく、1-6~1-8のどれかの教室をモデルにしたようです。この階は1年生の教室が存在しています。
これらの教室は生徒の展示のため撮影はできませんでした。
教室の入口(廊下から)
3-8(2階)の教室では美術部の展示がされていましたが、教室内が見渡せたのでこの教室を撮影いたしました。
教室の前方入口
教室の前方および中程
教室の後方入口
教室内からグラウンド方向(手摺り等)
男子トイレの前
トイレ内は撮影は致しませんでしたが、個室の辺りは作中と同じでした。
階段
校内では、文化祭の展示が各フロアでなされており、筆者はいくつかの教室を見学しました。
華道部の展示教室の入口
華道部の展示教室の後方入口(廊下から)
華道部の展示は、沢山の生け花がありましたが、部員がそれぞれに自分で製作した花器に花を生けるという展示もあり、花器と一体になった生け花(器も生け花の一部)を体感できていたのかなと感心して見ました。
美術部展示教室内
美術部展示は教室の前方にテーブルが配置され、ここに部員が製作した陶器の皿などが並べられていました。
綺麗な小皿だったので、1枚購入させて頂きました。
購入した小皿(美術部員作成)
他には、最近話題の君の名はのアニメのイラストが黒板に大きく書かれていた教室もあったようです。
1-5の展示教室
京都などでお馴染みのあの映画館もありました。
この日は午後から新宿で聲の形の舞台挨拶付き上映に行くことにしていたので、名残惜しくも午前中でお暇いたしました。
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(2)聲の形スタッフ舞台挨拶(手話付き)ミニミニレポート(9/24) at 新宿ピカデリー
以下、ネタバレありますので、作品を観賞済みの方のみ続きをご覧ください。
京アニからは山田尚子監督、そして、手話通訳の方(手話あいらんど:蓮子都さん)が登壇され、監督のお話を手話通訳の方が手話で伝えるというかたちで進められました。
内容に付いては、作中の手話のお話を主体に進められました。
最初の話題は、手話には関西弁があるとのこと。具体例としてあげられたのは、「おやすみなさい」の手話は関東では両手を会わせて顔の横に持って来てその手の方へ顔を傾けるいわゆるおやすみのポーズですが、関西では、両手を並べるように身体の前で合わせる仕草のようです。(このように見えたのですが、正確なところはよくわかりませんでした。)
ちなみにこの回の上映は字幕付きだったのですが、作中で手話を使って話す部分に関しての字幕はありませんでした。したがって、作中の手話についてはやはりよくわからないというのが正直なところでした。
作中での筆者の一番のお気に入りシーンは、植野が手話を使い、硝子がその手話の間違いを訂正するところです。(ネタバレしてます。ごめんなさい)
この部分に関して、山田監督が解説してくれたのですが、濁音を表現するには、文字の手話の形のまま、右側に手を移動させることで、「は」(ha)(清音)の文字の意味が、「ば」(ba)(濁音)に変化するそうです。
このことを知っていると、作品がより理解出来たと思います。
筆者はこの日は2回目の観賞だったのですが、手話をもう少し理解してからまた、鑑賞したいと改めて思いました。
また、午前中に訪れた高校でみた風景と同じ背景が、作中にいろんなところで出て来て追体験できてよかったと思いました。作中で「文化祭をもっとよく見たい」と将也が言っていたことも実感しました。
というわけで、両手の指先を開いて、それぞれにボールを掲げて持っているようなかたちで、その手を左右に回転させるポーズをいたします。(言葉で書くと難しい)
両手でキラキラポーズをするという感じです。
筆者、このポーズを舞台挨拶が終わったあと、舞台に向かっていたしました。手話通訳の方がそれに気が付いてにっこりしてくれてちょっとよかったです。
(2016年9月24日撮影)